著者
横式 龍夫 田口 雄三
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1518-1528, 2008-12-01

2007年は電力及び動力用にボイラ設備を設置している一部事業者において,大気汚染防止法や水質汚濁防止法等の公害防止法令の不適切な設備管理の事例が発生し,社会的にも大きな関心事となった。その後,法令順守徹底の観点から,環境省検討委員会や事業者毎の調査検討が行なわれ,不適正事案の分析及び今後の取り組み指針が整理されている。<BR>窒素酸化物(以下NO<SUB>x</SUB>と称す)は,大気汚染防止法のばい煙の一つとして,規制されている物質であるが,環境省検討委員会や各社公表資料においても最も多くの不適正事案が紹介されている。<BR>NO<SUB>x</SUB>の発生原理やその低減技術はボイラメーカ各社や各種公知文献等でも過去に数多くの発表が行なわれているが,ここでは今後の法令順守や環境対策への取り組みの一助とするために改めて整理してみたので紹介する。