著者
樫村 雅章
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.378-383, 2006-08-01

文化財としての価値の高い貴重書からデジタル画像を得る際には,資料の安全を最も重視して使用機器や方法を検討すべきである。デジタルファクシミリ用画像の入力では,ページ面への機器の接触を伴わない,カメラを用いたワンショット撮影で画像を得る方法が望ましく,1冊で数百ページ分に及ぶ作業の効率の面でも有利である。今回は,ワンショット撮影による2つの方法,すなわち,フィルムを用いた間接的な方法とデジタルカメラによる直接的な方法を,比較しながら概説する。また,貴重書のデジタル画像入力のために開発された専用装置の例を紹介する。
著者
樫村 雅章
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.183-187, 2006-04-01 (Released:2017-05-19)
参考文献数
9

慶應義塾大学HUMIプロジェクト(Humanities Media Interface Project)は,慶應義塾が1996年にグーテンベルク聖書を収蔵したのを契機に創設され,貴重書のデジタルアーカイブに関する研究とデジタル化を実践し,デジタル画像を用いた書物学研究を推進してきた。この10年の間に研究を進めてきた貴重書デジタル化のための手法やその関連技術,海外図書館との貴重書デジタル化協同プロジェクトなどについて,HUMIプロジェクトのデジタル化現場に身を置いて研究や開発に携わってきた著者が,これから12回の予定で連載を担当し,解説,紹介していく。まず今回は,HUMIプロジェクトの創設経緯や活動概要を紹介し,貴重書のデジタル化とその意義や,HUMIプロジェクトと関わりの深いグーテンベルク聖書について解説する。