- 著者
-
本塚 智
橋本 了哉
多賀谷 基博
小林 高臣
- 出版者
- 公益社団法人 高分子学会
- 雑誌
- 高分子論文集 (ISSN:03862186)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.6, pp.242-252, 2013-06-25 (Released:2013-06-25)
- 参考文献数
- 58
- 被引用文献数
-
4
7
炭素繊維を異種材料と接合化して,複合体を創製する技術が盛んに研究されている.しかし,炭素繊維の表面は疎水性であるため,親水性樹脂への分散性やセラミックスとの接合性が乏しい.高強度な複合体を創製するためには,接合界面を精密に設計し,接合性を向上させる必要がある.そのため,炭素繊維表面を改質・被覆する技術は,異種材料への分散化や複合化を改善・促進するため,重要なプロセス技術となりつつある.さらに,複合体の機能を向上させるためには,炭素繊維の表面技術だけでなく,界面接合技術が重要である.そこで,本報では,炭素繊維の表面改質および湿式法による無機高分子の被覆技術の特徴について紹介し,表面機能化について言及し,新しい複合材料としての応用の可能性について述べた.さらに,高分子樹脂と炭素繊維の界面接合技術を概説し,炭素繊維強化プラスチック創製における表面機能化の重要性について紹介した.