- 著者
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             東浦 晶子
             
             西村 貴士
             
             吉田 昌弘
             
             西村 純子
             
             橋本 眞里子
             
             柴田 陽子
             
             藤原 葵
             
             由利 幸久
             
             高嶋 智之
             
             會澤 信弘
             
             池田 直人
             
             榎本 平之
             
             今村 美智子
             
             三好 康雄
             
             廣田 誠一
             
             飯島 尋子
             
          
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.10, pp.647-655, 2021-10-01 (Released:2021-10-06)
- 参考文献数
- 41
        症例は70歳代女性.近医で多発骨転移を伴う乳癌と診断され当院紹介受診となった.パクリタキセル(PTX)による化学療法中にAST 201 U/L,ALT 35 U/LとAST優位のトランスアミラーゼ上昇を認めた.腹部超音波検査,腹部造影CT検査では異常所見は認めなかったため,PTXによる薬剤性肝障害を疑い薬剤の変更,中止をしたが肝機能障害は改善しなかった.超音波エラストグラフィによる肝硬度検査を施行したところ,TE(Transient elastography)39.1 kPa,VTQ(Virtual touch quantification)2.73 m/s,SWE(Shear wave elastography)2.54 m/sと著明な上昇を認め,肝生検を施行し,特殊型乳癌の1つである浸潤性小葉癌の肝転移と診断された.肝硬度が高値になる稀な原因として微小転移性肝癌があげられた.