- 著者
-
山岸 淳
橋爪 厚
- 出版者
- 日本雑草学会
- 雑誌
- 雑草研究 (ISSN:0372798X)
- 巻号頁・発行日
- vol.1974, no.18, pp.39-43, 1974-09-15 (Released:2009-12-17)
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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3
5
(1) 水田には, 単細胞, 群体性, または糸状体の28種の緑藻類があったが, とくに水稲に対して影響の大きい緑藻類は, 浮水雑草のアミミドロとヒビミドロであった。(2) 水田での発生は, アオミドロとヒビミドロでは2~3年回, アミミドロでは1~2回で, 発生に好適な水温は, 前2者では15~20℃, アミミドロでは22~25℃と考えられる。(3) アオミドロでは2本の糸状体が細胞ごとに接合して接合子が形成される。アミミドロは3回の無性生殖世代を経過した後, 1細胞2個の接合子を形成する。また無性生殖世代では1細胞1個体の繁殖法をとる。(4) アミミドロの生育・繁殖にはNとPが必須成分であり, とくにPは繁殖に不可欠な成分である。(5) アミミドロの繁殖量が多いほど水温・地温の低下が大きく, そのため水稲の分げつの発生が抑制される。(6) 藻類の発生前, 発生時の薬剤による防除について検討し, 防除の手段を得た。