著者
伊藤 隆二
出版者
東洋大学
雑誌
東洋大学児童相談研究 (ISSN:02885247)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-15, 1999-03

子どもの「嗜虐性」の発生機序を単に人間関係の葛藤や軋轢から解明するだけではなく,現代社会の不平等性にもメスを入れる必要がある。ここに報告した4事例から,いじめる子どもには実存的空虚感,「甘え」への欲求不満,恥の意識の希薄化,それに畏怖の念の消失などが共通していることが示唆されたが,これらは不平等性を助長する社会に生きることから生じたことを解明した。そこで子どもの「嗜虐性」発生を阻止するためには不平等社会を真の平等社会へ転換させる教育を開始する必要がある。その教育は人間の尊厳性を基軸とした平等の精神を社会に取り戻すいとなみであり,それはトランスパーソナルな視点から構築されるものである。
著者
伊藤 隆二
出版者
東洋大学
雑誌
東洋大学児童相談研究 (ISSN:02885247)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-15, 1998-03

子どもの「嗜虐性」の払拭の機序は何か,という問題意識のもとで,「小動物虐待」の悪癖をもつ中学生(男子)のカウンセリング経験を通じて,考察した。その結果,「嗜虐性」の払拭は自分が「spiritualな存在」であることに気づき, そのことを常に覚醒し,自分を生かしてくれている,人間の力を超えたものに感謝し,祈るというspiritual conversionに深くかかわっている,という結果を導き出すことができた。
著者
伊藤隆二 櫛渕欽也 池橋宏 中根晃 東正昭 谷口晋
巻号頁・発行日
no.21, pp.79-91, 1974 (Released:2011-09-30)
著者
坂本 浩子 山崎 勝利 加賀 千文 山本 幸子 伊藤 隆二 黒澤 康之
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.598-602, 1996-05-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1 21

準強力粉を主原料として中華麺を調製し,麺の物性に対するMTGaseの添加効果を調べた.(1) かんすいの添加量を調整し生麺調製時のpHを約6~10と変化させ,ゆで麺,酸処理麺の破断強度に及ぼす影響を調べた結果,MTGase無添加麺ではpHが高いほど破断強度が高かったが,MTGase添加系ではpH 6~8で破断強度増加効果が得られた.(2) pH 8.0で生麺を調製し, MTGaseの添加量が破断強度に及ぼす影響を調べた結果,MTGase 0~7U/gproteinで酵素濃度の増加とともにゆで麺の破断強度が増加した.ゆで麺を酸処理またはレトルト処理した場合,調べた0~10U/g proteinの範囲内で酵素濃度の増加とともに破断強度が増加した.(3) 生麺の断面を走査型電子顕微鏡により観察した結果から,これらMTGaseによる効果はG-L架橋形成によりグルテンのネットワーク構造が補強されたためと推定された.(4) 以上より,MTGaseを使用するとゆで麺の破断強度が増加すること,さらに酸処理やレトルト処理をしても破断強度の低下が抑制されることが判明した.
著者
香山俊秋 橋爪厚 伊藤隆二
巻号頁・発行日
no.16, pp.131-148, 1972 (Released:2011-09-30)
著者
助清 泰教 小倉 久和 木村 雄輔 沢味 裕 伊藤 隆二
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報
巻号頁・発行日
vol.25, pp.12-13, 1990

プロトプラストに由来するコシヒカリ7系統の生産力検定試験を1987, 1988年の2ヶ年間行った.その結果, 7系統のいずれもが原品種である「コシヒカリ」よりも短稈で晩生であることが分かった.また, いずれの系統とも実用的には概ね固定していたが, このうちの1系統を「初夢」という名前で1989年2月に種苗登録の出願を行った.原品種との比較による新系統「初夢」の特徴は以下の通りである.(1)出穂, 成熟期は約1週間遅い.(2)短稈かつ強稈で倒伏には強い.(3)収量は10%程度多い.
著者
伊藤 隆二
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.6-12, 1981-07-01
著者
伊藤 隆二
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.4, pp.5-8, 1989-12-07

ある特定のイネ品種の細胞を培養して植物体を再生させた場合、その植物体は原品種と同じものになると考えるのが常識であろう。ところがプロトプラストから植物体を再生させる過程において、おそらく突然変異が起こったのであろう、原品種と異なる変異体が生じ、その中から良いものを選び、悪いものを捨てるという、従来の育種の操作を進めることによって原品種と性質の異なる新品種を生むことができたのである。植工研では、わずか3年間でコシヒカリのプロトプラスト培養から新品種を作出し、平成元年2月3日「初夢」の名で農林水産省に品種登録の申請を行った。そこで、この奇妙な方法で新品種を作出した経緯、新品種「初夢」の特性、細胞培養利用のイネ育種の特徴等について述べることとする。