著者
外村 洋一 小野 忠弘 辻 正彦 堀尾 豊 庄野 元 本田 義信 櫛山 三蔵 徳臣 晴比古
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.309-317, 1977-04-01 (Released:2013-05-24)
参考文献数
23

Kent型WPW症候群3例について,副伝導路不応期の測定を試みた.3例共従来のRapid pacingによってはwide QRS のnormalizationはまったくみられず,ERPAPの測定は不可能でExtrastimulus法で以下のごとき種々の条件でのERPAPの測定を行った.Basic cyclelengthによる変化,およびOuabain ,Procainamide投与前後におけるERPAPの変化を検討した.ERPAPはBCLの短縮に伴い,短縮した.3例共,Ouabain投与後,ERPAPはBCLに関係なく減少を示した.その後,第1例,第3例にProcainamideの静注を行った所,ERPAPが延長した.3例共,心房細動によると思われる頻拍発作の既往を持ち,これに対するDigitalis使用はERPAPを短縮し,頻拍発作をさらに増悪する可能性があるので,注意を要する.