著者
細野 昇 向井 克容 坂浦 博伸 牧野 孝洋 武中 章太 三輪 俊格 冨士 武史
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.843-847, 2010-09-25

いわゆるmyelopathy handは頚髄症に特徴的な手指麻痺とされているが,神経根症には認められないのであろうか.頚部神経根症を呈する30例(C4,C5;各3例,C6;15例,C7;9例)に最大努力での握り開き運動を左右別に行わせて15秒間録画し,この動画を3人が評価し解析した.C7根症において疼痛側の握り開き回数は非疼痛側より有意に少なかった.またC6根症疼痛側においては各指が同調して動かず,乱れが生じていた.従来,頚髄症に特異的とされてきたmyelopathy handの一部の症候は神経根症にも認められる.