著者
二宮 晴夫 冨士 武史 永冨 孝幸 永渕 輝佳 荒木 直哉 水田 典孝
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.160-167, 2018-02-16 (Released:2018-03-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1

目的:鏡視下腱板修復術後のリハビリテーション期間延長に関わる因子を明らかにすること.対象:当院で施行した576肩(男性331肩,女性245肩,平均年齢63.9±12.3歳)を対象とした.後療法は3週間の固定を基本とし,術後翌日よりリハビリテーション開始.方法:術後リハビリテーション期間が6カ月で終了した376肩(男性228肩,女性148肩,平均年齢63.9±11.8歳)をA群,6カ月以上リハビリテーション継続を必要とした200肩(男性103肩,女性97肩,平均年齢63.5±13.3歳)をB群として2群に分類.検討因子は,保険種別,罹病期間,術前の可動域・筋力・運動時痛・肩関節疾患治療成績判定基準,断裂の部位・形態・修復状況,術後3カ月時の可動域ならびに6カ月時の可動域と筋力を独立変数とし,2群のリハビリテーション期間を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った.統計学的検討はEZRを使用.有意水準は5%.結果:リハビリテーション期間には保険種別・術前の断裂形態・術後3カ月の屈曲角度ならびに外旋角度・術後6カ月時の外転筋力が有意に関連していた.
著者
細野 昇 向井 克容 坂浦 博伸 牧野 孝洋 武中 章太 三輪 俊格 冨士 武史
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.843-847, 2010-09-25

いわゆるmyelopathy handは頚髄症に特徴的な手指麻痺とされているが,神経根症には認められないのであろうか.頚部神経根症を呈する30例(C4,C5;各3例,C6;15例,C7;9例)に最大努力での握り開き運動を左右別に行わせて15秒間録画し,この動画を3人が評価し解析した.C7根症において疼痛側の握り開き回数は非疼痛側より有意に少なかった.またC6根症疼痛側においては各指が同調して動かず,乱れが生じていた.従来,頚髄症に特異的とされてきたmyelopathy handの一部の症候は神経根症にも認められる.