著者
原 たみ子 武井 一夫
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.167-171, 2000-11-30
参考文献数
11

第一・第二鰓弓症候群による耳介形成不全を合併した屈折異常弱視、内斜視の4歳女児に対し、弱視治療を目的とした幼児眼鏡支持法を考案した。眼鏡テンプルを市販のシリコン製ヘアバンド(カチューシャ)とマジックテープ付きのストッパーにて固定し、眼鏡装用時の安定性を確保した。その眼鏡のデザインは患児に好まれ、装用後10ヶ月で、視力、中心固視および内斜視は著明な改善を示した。<br>新たに製作された眼鏡の外観は良好で、安価な作製費用で済み、既製の眼鏡装用困難な耳介の形成異常や位置異常、不随意運動を伴う症例にも有用な方法と考えられた。