著者
吉塚 弘 武内 麻子
出版者
一般社団法人大学英語教育学会
雑誌
JACET全国大会要綱
巻号頁・発行日
vol.36, pp.277-280, 1997-09-05

語学能力のみならず、習得した能力を正確に測定・評価することは、学習者にとって重要なことである。実際場面での運用を基本とする語学能力に関しては、これらの能力を測定するために通常ペーパーテストで代用されることが多い。しかしながら、それらが本来測定しようとしている測定目的を本当に測定しているか否か、という妥当性の検証に関し大規模に実施検討されることはまれである。特に語学能力の場合、構成能力の主要な一つと考えられるオーラルコミュニケーション力に関して、ペーパーテストでどの程度妥当性のある測定・評価が可能かは、テスト研究者のみならず、語学教育に関わる者にとって興味のあるところである。財団法人日本英語検定協会では、英検準2級から準1級の305名の日本人受験者サンプルを用いてこれらの検証を実行した。収集されたデータは、相関係数等の基本統計量が算出され、また因子分析の手法を応用して解析が実行された。これらの検証により、おおまかではあるが、オーラルコミュニケーション力を推定するのに代用可能なペーパーテストの形式に関する検討材料が供給された。