著者
武田 孝之 林 揚春
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.97-107, 2011-04-10 (Released:2011-04-21)

これまでオッセオインテグレーション獲得中は可及的にインプラントに荷重をかけずに保護をすることが最も重要であり,そのためには患者のQOLを一時的に阻害してもやむをえないこととされてきた.また,その間の咬合管理も優先順位としては低い位置にあり,すべてはオッセオインテグレーション獲得後に考慮することが暗黙の了解となってきた.しかし,治療期間中とはいえども患者のQOLを維持することは社会性はもちろんのこと,栄養管理,創傷の治癒の観点からも重要課題である.さらに,多数歯欠損症例においては安定した咬頭嵌合位を治療開始期から維持し,限られた時間のなかで適正な下顎位を模索することも力学的合併症を避ける意味からも重要である.そこで,治癒期間中の咀嚼機能を維持する対応法および注意点を明確にするとともに,プロビジョナルレストレーションと最終上部構造に付与する咬合接触の基本的な考え方を提示する.