著者
中村 康香 廣田 光紀 和田 彩 長坂 桂子 武石 陽子 川尻 舞衣子 吉沢 豊予子
出版者
一般社団法人 日本母性看護学会
雑誌
日本母性看護学会誌 (ISSN:1345773X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.19-26, 2021-03-26 (Released:2021-03-26)
参考文献数
27

女性が妊娠期においても労働力を最大限に発揮できるような支援へとつなげるため、妊婦の労働生産性やワークエンゲイジメントの特徴を、非妊娠女性および妊娠時期、雇用形態により比較検討した。就労女性904名を対象に、Webによる調査を2019年4-5月に行った。調査項目は東大1項目版プレゼンティーズム、労働遂行能力の低下率を示すWork Limitations Questionnaire (WLQ)、過去4週間の欠勤日数、Utrecht Work Engagement Scale短縮版(UWES)及び就労状況と属性である。結果、WLQ「時間管理」「集中力・対人関係」「生産性損失割合」において妊娠初期が、妊娠中期よりも有意に高かった。UWESは妊娠末期で「熱意」得点が妊娠中期より有意に高かった。正規雇用妊婦がWLQ「仕事の結果」に関する得点が、非正規雇用妊婦のほうがUWES「活力」得点が有意に高かった。妊娠時期や雇用形態による特徴に応じたマネジメントが必要である。