著者
西條 文人 武藤 満完 栗原 誠 山田 佳緒里 安倍 淑子 高橋 賢一 澤田 健太郎 徳村 弘実
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.107-113, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【背景と目的】末梢挿入型中心静脈カテーテルは,穿刺時に伴う致命的合併症およびカテーテル感染が少ないとされるが,血栓症閉塞,事故抜去,静脈炎などの留置後合併症を認める.一方,無縫合固定具はこれらカテーテル留置後の合併症を軽減できる報告がある.無縫合で固定可能なSorbaView® SHIELD によるカテーテル留置後の合併症について,本邦における検討報告はない.【対象と方法】2011 年1 月から2013 年3 月に留置されたPICC 症例421 例を対象とした.縫合固定した2011 年1 月から9 月の94 例(縫合群)とSorbaView® SHIELD で固定した2011 年10 月から2013 年3 月の327 例(Sorba群)をカテーテル留置後の合併症について比較検討した.【結果】カテーテル閉塞までの留置期間において,Sorba 群は有意に長かった.その他の合併症に関しては統計的有意差を認めなかった.【結語】SorbaView® SHIELD はカテーテル閉塞までの留置期間を延長させた.