著者
山本 和義 永妻 佑季子 福田 泰也 西川 和宏 平尾 素宏 鳥山 明子 中原 千尋 宮本 敦史 中森 正二 関本 貢嗣 藤谷 和正 辻仲 利政
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.175-182, 2017 (Released:2018-02-22)
参考文献数
16

加齢に伴う筋力,身体機能の低下と定義されるサルコペニアは各種疾患でその概念が普及し,治療アウトカムにおける影響が盛んに報告されている.われわれも高齢胃癌患者におけるサルコペニア症例が非サルコペニア症例にくらべて術前摂取エネルギー量,タンパク質量が有意に少なく,サルコペニアが胃癌術後の重篤な合併症発生の独立したリスク因子であることを報告している.つぎのステップとして,初診時にサルコペニアと診断された65 歳以上の高齢胃癌術前患者を対象にして,エクササイズとしてハンドグリップ,ウォーキング,レジスタンストレーニング,栄養介入として1 日28kcal/kg(IBW)のエネルギー量と1.2g/kg(IBW)のタンパク質の摂取およびβ-hydroxy-β-methylbutyrate(HMB)の補充を推奨する,「術前栄養+エクササイズプログラム」を作成・実践しているので,その概要について報告する.

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著者
浅桐 公男
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.185-187, 2016 (Released:2016-12-09)
参考文献数
14
著者
高後 裕 大竹 孝明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.59-65, 2015 (Released:2015-12-07)
参考文献数
19
被引用文献数
2
著者
池田 正明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.319-326, 2015 (Released:2016-02-25)
参考文献数
22

地球は24 時間で自転し,その自転が24 時間周期の明暗サイクルを地表に作り出している.地球上の生物は進化の過程で,この24 時間周期の光環境の変動を生体内に取り入れ,概日リズムという自律的なリズムを獲得し,概日リズムの獲得に成功した生命体のみが地球上で生存に有利に働き,それが地球上の生物の現在の繁栄につながったと考えられる. ヒトにも概日リズムがあること,概日リズムの周期はおよそ25 時間であることが,1960 年代にアショッフ教授によって証明され,光環境を厳密にコントロールした実験によって現在ではその周期が24 時間10 分であることも明らかになっている.1990 年後半に,ヒトを始めとする哺乳類や,ショウジョウバエなどの昆虫,アカパンカビ,シロイヌナズナなどの植物,シアノバクテリアに至るまで,概日リズムの約24 時間周期を作り出す時計遺伝子が相次いで発見され,その機能が明らかになってきた.ヒトの主な時計遺伝子として,Clock, Bmal1, Per, Cry があり,全て転写に関わる因子である.これら遺伝子は,その遺伝子産物や発現調節部位からなる転写・翻訳機構の中に,ネガティブフィードバックループを形成し,転写を約24 時間周期で増減させており,この転写翻訳システムが約24 時間のリズム発振の本体に当ると考えられている.また,時計遺伝子は人体のほぼ全ての細胞に発現しリズムを刻んでおり,しかも臓器ごとに固有の頂点位相をもったリズムを示す.さらに時計遺伝子はリズムを刻むばかりでなく,生体内のさまざまな因子のリズム発現に直接あるいは間接的に関与しており,一日のプログラムタイマーのように,一日の中で,遺伝子のオン・オフを制御して,環境変化に合わせた生体活動を制御し,効率的な体内環境を作り出している.例えば,ヒトは昼間に活動するとともに食物を摂取し,夜間は睡眠をとっている.ヒトの睡眠・行動や摂食のリズムは一見人々の習慣のように見えるが,これは昼行性動物の典型的なリズムパターンであり,体内時計によって制御されている.昼間摂取した食物からの栄養分は,吸収されて肝臓に送られ,肝臓は,夜間になると栄養分を代謝し貯蔵するプログラムの活動性を高めている.この代謝開始指令のタイミングを決め,しかも代謝そのものを駆動させているのが時計遺伝子であることも明らかになってきている.本稿では,時計遺伝子の役割を中心に概日リズム研究,特に疾患との関連についての進歩にいて概説したい.
著者
内田 恒之 関根 隆一 松尾 憲一 木川 岳 梅本 岳宏 喜島 一博 原田 芳邦 若林 哲司 高橋 裕季 塩澤 敏光 小山 英之 柴田 栞里 田中 邦哉
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.42-47, 2020 (Released:2020-03-15)
参考文献数
31

背景: サルコペニアは胃癌をはじめ各種悪性腫瘍の短期・長期成績に関与するが, 骨格筋の質を表す脂肪化と術後感染性合併症 (IC) の関連性は明らかでない. 目的: 腹腔鏡下胃切除 (LG) を施行した胃癌症例における骨格筋脂肪化と術後ICとの関連を明らかにする. 方法: 2009年から2018年までのLG施行早期胃癌173例を対象とした. 周術期諸因子と術後ICの関連を後方視的に検討した. 骨格筋脂肪化は術前CT画像によるIntramuscular adipose tissue content (IMAC) で評価した. 結果: 術後ICは20例 (11.6%) に認めた. 多変量解析による術後ICの独立危険因子は男性 (P=0.003) , Prognostic nutritional index低値 (P=0.008) , IMAC高値 (P=0.020) であった. IMAC高値群は低値群に比較し高齢 (P=0.001) で高Body mass inedx (P=0.027) であり糖尿病並存例 (P=0.021) が多かった. 結語: 骨格筋脂肪化はLG後の術後IC発生の危険因子であった. 適切な術前栄養・運動療法の介入が術後IC制御に寄与する可能性がある.
著者
宮田 剛
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.147-154, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
16
被引用文献数
1

ESSENSE とは,ESsential Strategy for Early Normalization after Surgery with patient's Excellent satisfaction の略であり,日本外科代謝栄養学会で展開する術後回復促進のためのプロジェクト名である.ERAS の普及が進む中で,日本の実情に合わせて,「手術の安全性を向上させつつ,患者満足を伴った術後回復促進対策のエッセンスはなにかを検討し,これらに関する科学的根拠に基づいた情報を提供すること」を使命と考えている.中心的理念を,1.生体侵襲反応の軽減,2.身体活動性の早期自立,3.栄養摂取の早期自立,4.周術期不安軽減と回復意欲の励起,の4 つとした.ERAS protocol で推奨された項目を再整理するとともに,他の論文も含めて整理して情報を提供し,具体策を学術集会で議論する.臨床現場ではこれらの情報を利用して自施設で取り組み,各職種が集まって協議,個々の達成指標を共有しながら作業分担することを期待する.ESSENSE が ERAS と違うのは,医療者の介入事項を規定するのではなく,患者状態の達成目標を明確化することである.
著者
若林 秀隆
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.185-191, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
33
被引用文献数
1

身体的活動性の術後早期自立を高めるリハビリテーションには,術後の早期離床・運動とプレハビリテーションがある.術後に安静臥床を継続すれば,身体的活動性の自立が遅れるのは当然と思えるが,術後の早期離床・運動に関するエビデンスは乏しい.しかし,周術期ケアの中に早期離床・運動を含むことは強く推奨されている.待機的結腸手術や待機的直腸・骨盤手術では,手術当日に2 時間の離床,手術翌日から6 時間の離床をすすめる.ICU 患者では,早期離床・運動に関するエビデンスがあり,早期から関節可動域訓練,座位・立位訓練,呼吸リハビリテーションなどを行う.  プレハビリテーションとは,術前に身体機能を強化することで術後の合併症予防,身体的活動性の早期自立,早期退院を目指す介入である.ADL,身体機能,栄養状態に問題がある高齢者には,運動療法,栄養療法,不安軽減を含めた包括的なプレハビリテーションが有用な可能性がある.
著者
渡邉 栄三
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.287-292, 2019-12-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
28

Autophagyは, 細胞の自己成分をlysosomeに運び込み分解する機構であり, 必ずしも細胞死を意味するわけではない. 飢餓応答としての栄養供給という働き以外にも, 不要なオルガネラの分解, 病原微生物の排除, 腫瘍抑制などの役割も確認されており, むしろ生命維持に必須のシステムである. そして敗血症病態下での重要臓器 (肝, 腎, 脾臓の免疫担当細胞など) においては, 発症早期には一過性にautophagyは亢進するものの, その後停滞傾向に向かうことが判明してきており, 臓器保護的な役割を担っている. 一方, 敗血症時の骨格筋では, autophagy過活性が筋萎縮を惹起することも報告され, 臓器やその構成細胞によっては諸刃の剣である. 敗血症とautophagyの関与の解明と, autophagyの生体でのモニタリング手法の確立が, 敗血症時のautophagy動態の制御を企図した栄養管理実現へのポイントである.
著者
荒金 英樹
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.317-323, 2018-12-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
35

がん患者の栄養障害の原因は栄養の摂取不足による飢餓と栄養の利用障害である悪液質があり,前者は適切なアセスメントと栄養補給により改善が期待されるが,後者の悪液質は通常の栄養療法での改善は困難で病状の進行とともに悪化し,いかなる栄養療法も対応困難な不応性悪液質に至る.この悪液質は炎症による複合的な代謝障害であり,骨格筋を優先的に障害することから運動療法の役割は大きく,悪液質またはその前の段階である前悪液質の時期では,がんやがん治療による身体諸症状に対する改善効果が期待されている.こうした介入も運動療法,栄養療法の単独での効果は難しく,リハビリテーション栄養の概念に基づく多職種による複合的な介入が求められる.しかし,病状の進行により不応性悪液質に至った患者でのこれらの介入は患者の症状を悪化させる可能性があり,漫然と継続するのではなく,その目的を明確にし患者・家族の負担と利益のバランスを念頭に置き,適切なケアを選択することを心がけるべきである.
著者
土師 誠二
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.63-70, 2013 (Released:2013-06-07)
参考文献数
28

特定の栄養素投与による生体内遺伝子の発現調節をnutrigenomics とよぶ.mTOR シグナル伝達機構を介した蛋白合成促進効果が報告されている分岐鎖アミノ酸を用いて,癌細胞内の遺伝子発現を調節するnutrigenomics 効果を臨床検討した.肝細胞癌肝切除例を対象に術前30 日間分岐鎖アミノ酸12 g/ 日を経口投与し,PI3K/Akt/mTOR 経路に関する癌細胞内遺伝子発現量の変化をreal-time RT-PCR で解析した.分岐鎖アミノ酸投与は,mTOR 複合体2 の構成成分であるRictor には影響を及ぼさず,mTOR 複合体1 の構成成分であるRaptor とアポトーシス誘導遺伝子Bad の発現を増強させた.分岐鎖アミノ酸による肝細胞癌へのnutrigenomics 効果が臨床例でも認められることが示された.
著者
若林 秀隆
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.43-49, 2016

&emsp;リハビリテーション栄養とは,栄養状態も含めて国際生活機能分類で評価を行ったうえで,障害者や高齢者の機能,活動,参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことである.サルコペニアは,加齢のみが原因の原発性サルコペニアと,活動,栄養,疾患が原因の二次性サルコペニアに分類される.サルコペニアの治療はその原因によって異なり,リハビリテーション栄養の考え方が有用である.特に活動と栄養による医原性サルコペニアの予防が重要である.<br>&emsp;老嚥とは健常高齢者における嚥下機能低下であり,嚥下のフレイルといえる.老嚥の原因の1 つが嚥下関連筋のサルコペニアである.サルコペニアの摂食嚥下障害とは,全身および嚥下に関連する筋肉の筋肉量減少と筋力低下による摂食嚥下障害である.特に誤嚥性肺炎後に認めやすい.サルコペニアの摂食嚥下障害への対応は全身のサルコペニアと同様で,特に早期リハビリテーションと早期経口摂取が大切である.
著者
名徳 倫明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.103-110, 2017 (Released:2018-02-22)
参考文献数
19