- 著者
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比留間 洋一
天野 ゆかり
- 出版者
- 静岡大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
平成30年度は、本研究の最終年度として計画した「帰国介護人材を活用したベトナムの高齢化対策研究」を展開するために、(1)ベトナム人EPA介護福祉士帰国者の就労実態に関する調査研究、(2)ベトナムの高齢化対策に関する調査研究を遂行した。上記(1)の調査研究については、a)本研究プロジェクトの当事者メンバーであるEPAベトナム人介護福祉士1期生4名に、日本(浜松、山梨、千葉)およびベトナム(ダナン市)においてインタビュー調査を実施(2019.5.13時点で、3名が帰国)。b)上記4名に加えて、ベトナム(ハノイ市)においてEPA介護福祉士帰国者(看護師帰国者1名を含む、計8名)にインタビュー調査を実施した他、c)平野裕子教授(長崎大学)の共同研究に参加し、EPA帰国者(離脱者を含む)を対象としたアンケート調査(配票及びオンライン方式)を実施した(2019.5.13時点で集計、分析中)。研究成果として、上記a)のデータで学会発表1件をおこなった。上記(2)の調査研究については、a)研究プロジェクトの当事者メンバーである元留学生のベトナム人介護福祉士が、地元(中部の農村コミュニティ)の介護状況調査について研究会発表をおこなった(2018.12.16)他、b)研究代表者は、東南アジア学会(中部例会)等において学会発表2件をおこなった。このような調査研究を通して、EPAベトナム介護福祉士1期生(117名)について、(1)介護福祉士国家試験の合格率が高い諸要因のうち、日本語能力の高さ(殆どがN2以上)が自習を可能としたという視点、及び(2)合格後の帰国者も多く(定着率約50%)、その多くが日本への介護人材の送出し・養成機関で教師や通訳として就職しているその実態について明らかにした。ベトナムの高齢化対策については、特に認知症の高齢者の社会受容が大きな課題であることが浮き彫りとなった。