著者
水之江 郁子
出版者
共立女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

カトリック国アイルランドでは、学校教育にも教会が様々に関与し、強い影響を及ぼしてきた。20世紀初頭のイギリスに対する抵抗を経て、勝ち得た共和国においても、女性の生き方に制約や抑圧を加える面が大きかった。しかし、一方でイギリスに比べても早い時期に男性と対等な高等教育を受け、混乱期に立ち上がり、強く戦った女性たちも少なくない。その中の著名な1人の一族で、日本では閉鎖的な印象を与えてきた女子修道会運営の中等教育の場に入って、社会正義と公正さを大切に、闊達な生き方で周囲を魅了したシスターシーヒーの女子教育への貢献などを理解し、本来修道会が目指す外部社会に対しても開かれた考え方を認識させられた。