著者
水戸 道晴 松田 和浩 赤池 武志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.2, 1994-09-26

近年高速ネットワークを利用し、大規模な画像データベースのような高論理多重でかつ高速なデータ通信を行うアプリケーションの研究が進んでいる。この種のアプリケーションで例えば電子カタログ、医療用超高精細画像転送等の静止画像を扱う場合のトラヒックの特徴は、接続中の各論理リンクは定常的なデータの送受信はせず、ある画像を選択したときのみバースト的転送が行われることである。従って個別のリンクは理想的には「サーバ装置の最高スループット/データ転送中リンク数」のスループットでフレームを転送することが望まれるが、実際にはサーバ側は多重度が高いため各論理リンク毎に配置されている送信フレームキューの検索処理がオーバヘッドとなり、個別の論理リンクのスループットは上式の値は得られない。全リンクの送信フレームを単一のキューに格納する方法もあるが、この方法ではあるリンクがビジーとなり送信規制がかかると他のリンクの送信も停止する。これを防ぐにはさらにキュー内追越し等の制御が必要となる。そこで本稿では各リンクの独立性を保ちかつ検索オーバヘッドの少ない送信フレームキュー検察方式を提案する。