著者
水本 俊行 中野 扶佐子 西﨑 雄三 増本 直子 杉本 直樹
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.134-143, 2019-10-25 (Released:2020-01-17)
参考文献数
25
被引用文献数
5

われわれは1H核定量NMR(1H-qNMR)で純度決定された化合物のHPLCピーク強度に基づく相対モル感度(RMS)を利用したヒハツ抽出物(LPE)中のpiperine類の定量法を考案した.Piperineを単一基準物質とした場合のpiperanine,chavicine,isopiperine,isochavicineのRMSは0.3693,1.138,0.9164,1.277であった.RMSを利用したHPLC/UV(RMS法)によるLPE中のpiperine類の定量値と,1H-qNMRや絶対検量線法との定量値の相対誤差は2.01%以下であった. RMS法を用い,piperine異性体の合計定量値を光異性化前後で比較した相対誤差は2.84%であった.RMS法によるLPE錠剤中のpiperine類の定量値は606 μg/gで,各成分の2施設間差は0.600~4.00 μg/gであった.