著者
深田 亮 浅野 由美 中田 光政 葛田 衣重 水流添 秀行 村田 淳 田口 奈津子
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.380-384, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
8

【目的】進行癌に重度の対麻痺を伴った症例に対し,理学療法と動画を用いた介助方法の指導を行い,復学を達成したので報告する。【対象と方法】症例は毎日,中学校に通うことを楽しみにしていた10 代前半の男性。局所再発腫瘍の胸椎浸潤による対麻痺となり,腫瘍部分摘出術が施行された。階段昇降が復学を達成するために重要であったため,中学校の教員宛に動画を用いて介助指導を行った。また,復学を達成するために医療者カンファレンスに加え,教員を交えて復学カンファレンスを実施した。復学後も理学療法士と教員が積極的に情報を共有し学校行事に参加できるように多職種でアドバイスを行った。【結果】教員介助の下,安全に階段昇降を達成し,学校行事にも参加できた。【結語】動画を用いた介助指導,病棟スタッフとのカンファレンスによる目標設定,さらに復学後も教員と情報共有をしたことで,患児の希望に沿った復学を達成できた。