著者
水田 圭 高瀬 竜一郎 木村 健太郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.104-109, 2011-03-30

企業による環境活動や広報活動に対してグリーンウォッシングと呼ぶことがあるように、経済活動と環境問題の間には相反関係がある。また、環境的視点の重要性が社会で広く認識される一方で「エコ疲れ」という言葉があるように、人々の生活に於いてもエコロジー活動をストレス無く、楽しみながら続けるための仕組みや魅力が必要とされている。本作品では、このような条件の中で企業広報におけるエコロジー活動がどのようにデザインされるべきか考察し、様々な面からデザインを検討した。銀座ソニービルディングに懸架されている最大18m×10mの広告幕をジーンズとして生まれ変わらせた。このジーンズを履く行為が、企業イメージを発信する新たなメディアとなることを期待したものである。
著者
水田 圭
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究では、「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(旧カンヌ国際広告祭)における評価軸の変遷を分類する。 この広告賞は1954年映画館における劇場CM振興のために創設された。当初は1つのグランプリ作品を選んでいたが、現在では13の部門に分け評価をおこなっている。「カンヌ」の最大の特徴は評論家や研究者ではなく制作者が広告作品へ評価していることである。その歴史は、表現メディアの変化への対応ばかりではなく、「あるべき評価」を実現しようと試行錯誤する姿である。文献を追うと「カンヌ」のクリエイティビティの評価に対する真摯な姿勢を確認することが出来る。 現存する各部門は表現メディアの違いによってのみ分けられているのではない。評価対象は、アイデア、革新性、営業活動、表現技術、理論の実行、ターゲットの絞れたコミュニケーションのように多彩である。評価の観点として、対象とする課題、表現技術と理論の実行、広告効果、クリエイティビティ等と整理することが出来る。 「評価」を整理・理解することで制作側と顧客の間にある情報を整理し、事業に貢献することが研究の目的であり、本稿はその基礎研究となる。