著者
水野 肇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.92, 1966-06-01

チフス菌を扱っていた医師が,その菌を注入したバナナなどをあちこちに届けて,2百人以上のチフス患者をつくったという疑いで逮捕されるという,およそ考えられないような事件がおきた。 千葉県警本部は,4月7日,千葉大付属病院第1内科医局員,鈴木充(32)を傷害の疑いで逮捕した。鈴木の容疑は,自分の扱っていたチフス菌,赤痢菌などをバナナやカステラなどに入れて,静岡県三島病院,千葉大付属病院などの医局員ら約2百人に感染させ,2人を死亡させたというもの。
著者
水野 肇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.53, 1965-04-10

許可基準内なのだが… アンプル入りカゼ薬「強力パブロン」(大正製薬)「強力テルミックス」(大正製薬)「エスピレチン」(エスエス製薬)が,2月27日からいっせいに販売中止となった。厚生省の要請を受け入れて業者側が自シュクしたものである. アンプル入りカゼ薬が販売中止となったいきさつは,新聞紙上に報道されたとおりで,わずか10日間に5人がこの薬を飲んで死に,重大な関係があるとみられたためである.目下,その原因を調査中のため,かるがるしく言うべきではないが,死亡した5人の状態をみると,過敏体質,くすりののみすぎ,体力の衰え,他の薬との併用が,表面的には問題になってくるようだ.そして,昨年はアンプルのカゼ薬で死んだ人は3人,34年から38年の4年間で,ピリン剤で死んだのは11件ある.