著者
永井 廉子 五十嵐 由利子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.187-196, 2004-02-15
参考文献数
3
被引用文献数
1

調理にともなう熱や臭気の居住者やキッチンヘの影響を,居住者がどのように評価しているかについてアンケート調査を行い,以下の結果を得た.(1)キッチンタイプは,オープンキッチン206件(55%),セミオープンキッテン92件(25%),クローズドキッチン71件(19%),アイランドキッチン5件(1%)と,調理の影響が拡散しやすいオープンタイプのキッチンが多かった.(2)熱環境については,夏冬ともセミオープンキッチンの満足度が高かった.また,広さとの関係では広いほうに満足度が高まる傾向がみられ,オープンキッテンでは広い方が,夏の暑さ,冬の寒さに対する満足が増え,不満が減少した.(3)臭気環境については,臭気要因に関わる項目を抽出し,数量化III類を用いて臭気要因の不満の構造解析を試みた.その結果,換気扇から排気しきれない煙や臭気の存在と,部屋の隅での臭気の残留との関連が示唆されたが,他の要因も考慮する必要がある.