著者
宮崎 仁志 阿部 政夫 麻野間 正晴 永井 祐治 中島 正博 宮部 正樹
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.233-239_1, 1997-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13
被引用文献数
4 9

厚生省から通知された魚肉中の一酸化炭素 (CO) の分析法 (通知法) には, (1) 多量 (300g) の試料が必要, (2) 操作中にCOの損失がおこる, という問題点がある. そこで, これらの点を改善した簡易分析法を検討した. 凍結 (又は生鮮) 試料約100gをミンチにし, その10gを直接バイアルに採取して10%硫酸を加え, 40℃で5分間加温した. 更に室温で15分間振とうしてCOを遊離させ, GC-FIDで定量した. 本法は, 分析操作中のCOの損失が少なく, 操作が簡便で, 少量の試料にも適用できる. 本法における定量限界は, 通知法と同じ2μg/kgであった. 本法により, テラピア10試料のCO濃度を測定したところ, 通知法による測定値の0.9~1.7 (平均1.3) 倍の値であった.