著者
永吉 雅夫
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.18-28, 2002-01-10

幕末維新期、崇徳院をめぐる言説は、その政治的状況の中でにわかに問題化する。江戸と明治を区切る行事としての睦仁親王の即位と「明治」改元は、讃岐からの崇徳院神霊の京都遷還事業と密接にリンクしている。その政治的意味の内実を、秋成「白峯」と篤胤「玉欅総論追加」との差異をつうじて、あとづける。