著者
永江 貴子
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.143, pp.25-41, 2020-10-30

中国語の“给”は受益者を導くと規定され,この“给”に関する先行研究が多数報告されてきた。近年,この“给”が用いられる受益者を導く位置で,“帮”を用いる例が散見される。この“帮”の振る舞いを注視すると,従来の「助ける」という意味からやや離れた例が散見される。本稿では,この“帮”が有する意味的特徴に着目し,ポライトネスを示す例,近年におけるこの例の拡がり,更に従来の意味からやや逸脱した例を提示し,ポライトネスを意図する場面で何故多く観察されるのかに関し,そのメカニズムを述べる。