- 著者
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永長 幸雄
大谷 幸宏
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.11, pp.543-546, 1989
- 被引用文献数
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水及び有機相に窒素を通じて溶媒抽出操作を行い,その抽出溶液中でCu(II)及びFc(III)を微分パルスポーラログラフィーにより同時定量する方法を検討し,生体標準物質の分析に適用した.電解セルに両金属イオンを含む水溶液を採り,3.0mol dm<SUP>-3</SUP>酢酸ナトリウム溶液2.0cm<SUP>3</SUP>,20%(w/v)トリクロロ酢酸溶液0.5cm<SUP>3</SUP>及び純水を加えて全量を4.0cm<SUP>3</SUP>とする.これに0.05 mol dm<SUP>-3</SUP><I>N</I>-ベンゾイル-<I>N</I>-フェニルヒドロキシルアミンと0.1mol dm<SUP>-3</SUP>過塩素酸テトラブチルアンモニウムを含む1:3酢酸エチル-アセトニトリル混合溶液2.0cm<SUP>3</SUP>を加え,窒素を7分間通じて溶媒抽出と除酸素を行う.分相後,有機相中に三電極を差し込んで微分パルスポーラログラフィーを行うことにより,水相中の0.05~2.0μgcm<SUP>-3</SUP>Cu(II)及びFe(III)が同時定量できた.本法を用いて,NBS生体試料Bovine Liver及びCitrus Leaves,ヒト血清中のCu及びFcを定量しほほ満足できる結果を得た.