著者
江口 忠臣 室 達朗 THAI TRAN DANG
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, no.735, pp.93-103, 2003
被引用文献数
1

本研究の目的は建設車両の車両制御, 走行性能向上に資するため, 地盤上における建設車両用タイヤの弾性挙動特性および純粋転動特性を明らかにするものである. 従来, 簡易的にタイヤの等価縦弾性係数が接触地盤の等価縦弾性孫数より大きい時, タイヤは剛性車輪であると見なされてきた. 供試地盤上において載荷, 純粋転動試験を行い, 3種類の低内圧における特性について調査した. その結果, タイヤ沈下すなわち地盤表層破壊は載荷重よりもタイヤ設定空気圧に依存し, タイヤの等価縦弾性係数が接触地盤の等価縦弾性係数より大きい場合においてもタイヤが弾性挙動を示すことが明らかになった. タイヤ沈下はフローテーション性に大きく影響することから, 空気圧制御により走行性能を改善できる可能性を示した.
著者
江口 忠臣 室 達朗 TRAN Dang Thai
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, no.749, pp.111-121, 2003
被引用文献数
5

本研究の目的は建設車両の高精度車両制御に資するため, 地盤上における建設車両用タイヤの制動特性および駆動特性を明らかにするものである. タイヤと地盤の接触作用は非線形力学の最も困難な問題のひとつであり, 半実験的方法によって性能予測が可能となる. そこで, 供試地盤上において載荷, 制駆動試験を行い, 3種類のタイヤ空気圧設定における特性について調査した. 純粋転動時と同様にタイヤ空気圧設定による地盤表層破壊抑制効果が明らかになり, スリップ率の変化に伴う制駆動特性の詳細が判明した. また, 離散化タイヤモデルによるタイヤ変形形状を基にしたシミュレーション方法を提案し, それに基づく数値解析の結果と実験値との比較を行うことによって走行性能予測の精度について検討した.