著者
目叶 裕史 江口 直人 加藤 たつ郎 中村 中
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.47-52, 2016 (Released:2016-01-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

血液透析の分野は生命予後の改善や生活の質 (quality of life : QOL) の向上のため, 浄化法や管理方法の検討がされており, 当院では内部濾過を踏まえた透析量増大を考え, 現在350mL/min以上の高血液流量で治療を行っている. 日常的な制限を極力設けない高血液流量透析のQOLを含む生命予後への影響について当院のデータと日本透析医学会やほかの研究データと比較した. 高血液流量透析は透析効率や透析量, 栄養指標, QOL評価が高い傾向にあり, 粗死亡率は5.2%と十分に低く, 透析歴20年以上の長期透析患者は21.9%と高い割合を占めた. 高い血液流量により内部濾過が増えれば予後不良因子を多く除去できる大きな透析量が得られ, その大きな透析量が食事制限を必要としない栄養状態の良好な生活が維持できてQOLの向上に貢献していると考える. 高血液流量透析は生命予後の改善, QOLの向上のため重要な基本条件である.