著者
江口 瞳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.4_603-4_612, 2017-09-07 (Released:2017-10-21)
参考文献数
18

先行研究をもとに倫理的ジレンマ尺度のアイテム80項目を作成し,全国がん診療連携拠点病院と全国緩和ケア病棟の,終末期がん患者の看護に携わっている看護師4,500人に調査し,1,337名の回答を得た。項目分析,因子分析の結果7因子58項目が採択され,第Ⅰ因子から,【説明不足により患者・家族の選択権が保証されていない】【意思決定を支援するための看護が見出せない】【患者のニーズに応じた看護を提供できていない】【医師との意見が食い違う】【患者の状況よりも化学療法や延命処置が優先される】【患者が置き去りにされたまま治療が進む】【患者と家族の意見が食い違う】であった。因子全体の尺度のCronbach’α 係数は .861であり,内的整合性が確認された。撫養ら(2014)の看護師の職務満足度尺度を基準とするPearsonの積率相関係数はr =-.260(p<.01)であり負の相関が認められた。