著者
江川 剛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.676-682, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)

インターネットの利便性をこれまでになく享受し,ネット上に拡散する情報の力が革新的な発想を後押しすることも多い21世紀初頭は,同時に情報漏えいや権利侵害,依存といった弊害や危うさを露呈し始めた時代でもある。不可視だが確実に存在する脅威,ネットにつながっているゆえの不自由さをも見極める必要がある。現代の環境を冷静に認識し,今起きていることに対してどうふるまうべきか。現代思想・法曹・警察行政・迎撃技術・情報工学・サイバーインテリジェンス等のスペシャリストが,6回に分けて考える。第2回は,悪用された場合,ネットや情報がどのような事態を起こしうるかを,情報セキュリティーに関する最近の裁判例や報道,その背景を通して弁護士・江川剛氏が解説する。