著者
江里口 義隆 大槻 知明 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.88, pp.59-64, 2005-05-19
参考文献数
8
被引用文献数
2

本稿では, MIMO-OFDMシステムにおける2-Dimensional Pilot-Symbol-Assisted (2-D PSA) MMSEチャネル推定法の低演算量化や特性改善を実現する2つのチャネル推定法を提案する.従来の2-D PSA MMSEチャネル推定法は, まずパイロットシンボルを配置されたサブキャリアに対してLeast Square (LS)推定を行い, そのサブキャリアの周波数応答を求める.次にLS推定で求めた周波数応答から, チャネルの相関を利用し, MMSEチャネル推定ですべてのサブキャリアの周波数応答を求める.本稿では, はじめに従来法の演算量を削減するために, OFDMシンボル内の隣接するサブキャリアの周波数応答や, 隣接するOFDMシンボル内の同一サブキャリアの周波数応答を等しいと仮定し, MMSEチャネル推定での演算量を削減した低演算量2-D PSA MMSEチャネル推定法を提案する.また, チャネル推定のMSE特性を改善するため, 従来法のMMSEチャネル推定の推定サイズを拡張することを提案する.シミュレーションの結果, 2つの提案法は, 従来法と比較して, 1つめの提案法は, ほぼ等しいMSE特性で演算量を削減できることを示す.また, 2つめの提案法は, 演算量は増えるがMSE特性を改善できることを示す.