著者
池 周一郎
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.83-90, 1987-10-01 (Released:2009-03-01)
参考文献数
5

本論では、社会的距離(social distance)というものの理論的な存在の可能性が、検討されている。階層間通婚のデータからは、数学的に厳密な意味での距離というものは導くことができないことが示されている。また階層間通婚傾向というものは、種々な要因のアグリゲーション・ゲインとしてみなすべきである。比喩としての社会的距離は、ミクロの社会的行為に基づいたメトリックな社会階層の理論のための基本的変数とするにはそれほど純粋な概念ではないと思われる。