著者
池 玟京
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.37-53, 2012-03-01

本研究は韓国語接続助詞neundeを対象にその機能を明らかにすることを目的とする。従来の研究で示されなかった分類の基準を設定して、実際のデータを分析、neundeで接続される前後関係をまとめた。neundeの用例は条件関係の有無、条件命題との一致、従属/対等、時間的連続性の有無、前件の必要性という五つの基準で、六つのケースに分類される。今回の分析ではneundeが他の接続助詞とは異なって、順接と逆接の両方を表せること、neundeの解釈を決めるのは前後の命題内容であることが確認された。本研究はneundeに概念的意味はなく、各ケースはneundeであり得る一つの解釈であると考える。また、今回の分析結果はneundeを手続き的情報だと主張したNoh(2008)の問題点を改善したものと考えられる。Noh(2008)の「セグメント分離指示」という説明では、単文の連続とneunde文に同じ解釈過程が想定され、neundeの特徴が示せない。そこで、本研究はneundeが「関連付けを意図明示的に指示する手続き的コード」であることを提案し、Noh(2008)の問題点を解決した。この提案によって、neundeは単文の連続や他の接続助詞とは性質の異なるものとして位置づけられる。