著者
池本 省吾
出版者
鳥取県林業試験場
雑誌
鳥取県林業試験場研究報告 = Bulletin of the Tottori Prefecture Forest Experiment Station (ISSN:09168206)
巻号頁・発行日
no.44, pp.15-20, 2012-03 (Released:2013-10-08)

ドングリ(ブナ科堅果の通称)の発芽に影響を与えるシギゾウムシ類幼虫による食害を防止するため、ドングリに対し温水処理を行い、その殺虫効果を検証するとともに、発芽に及ぼす影響を調査した。その結果、温水処理による殺虫効果が確かめられ、処理温度が低い場合は食害による発芽率の低下、処理温度が高い場合は過加熱による発芽率の低下がみられた。温水処理によりドングリの発芽能力を維持したまま殺虫効果を得るには、45℃の温水で30分間程度処理するのが適当と考えられた。また、温水処理の実用化を図るため、一般家庭にある風呂を利用して温水処理を試みたところ、内部まで設定温度に達するのに時間がかかるため殺虫が不完全になるという問題が生じた。これを解消するため、薄型に改良した袋を使用したところ、効率よく内部まで加温することができ、大量のドングリを確実に温水処理することが可能となった。
著者
池本 省吾
出版者
鳥取県林業試験場
雑誌
鳥取県農林総合研究所林業試験場研究報告 = Bulletin of Tottori Prefectural Agriculture and Forest Research Institute. Forestry Research Center (ISSN:21870985)
巻号頁・発行日
no.44, pp.15-20, 2012-03

ドングリ(ブナ科堅果の通称)の発芽に影響を与えるシギゾウムシ類幼虫による食害を防止するため、ドングリに対し温水処理を行い、その殺虫効果を検証するとともに、発芽に及ぼす影響を調査した。その結果、温水処理による殺虫効果が確かめられ、処理温度が低い場合は食害による発芽率の低下、処理温度が高い場合は過加熱による発芽率の低下がみられた。温水処理によりドングリの発芽能力を維持したまま殺虫効果を得るには、45℃の温水で30分間程度処理するのが適当と考えられた。また、温水処理の実用化を図るため、一般家庭にある風呂を利用して温水処理を試みたところ、内部まで設定温度に達するのに時間がかかるため殺虫が不完全になるという問題が生じた。これを解消するため、薄型に改良した袋を使用したところ、効率よく内部まで加温することができ、大量のドングリを確実に温水処理することが可能となった。
著者
池本 省吾 竹本 勘二郎 木村 勝典
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.184-187, 2012 (Released:2013-04-16)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

生分解性繊維で作られた不織布を加工して円錐形ロングポットを試作した。このポットで数種の直根性の緑化樹を育苗したところ,ルーピングの発生は全く確認できなかった。いずれの樹種も用土による成長差がみられたが,ポットの大きさによる成長差はみられなかった。当該ポットを植栽後,定期的にサンプリングしてポットの腐食程度を調査したところ,目視では目立った劣化は確認されなかったが,引張試験により強度の低下が確実に進んでいることが確認できた。これらのことから,今回試作したポットは,ルーピングしやすい直根性の緑化樹の育苗において今後の利用が期待できる。