著者
山田 一孝 喜澤 香織 丹羽 理恵 櫻井 達也 岸本 海織 清水 純一郎 室谷 直義 池水 智博 小嶋 靖
出版者
動物臨床医学研究所
雑誌
動物臨床医学 = Journal of Animal Clinical Research Foundation (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.129-132, 2007-12-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

腫瘍の犬3症例にハタケシメジ抽出物を投与し経過を観察した。肝腫瘍症例は投与開始から1カ月後に,直腸癌症例は9カ月後に死亡したが,脳腫瘍症例は23カ月経過した現在も生存している。ハタケシメジ抽出物の腫瘍に対する直接的な効果は不明であったが,3症例とも投与後に末梢血液中のリンパ球数が増加した。このことから,ハタケシメジ抽出物には犬の腫瘍症例の末梢リンパ球数を増加させる働きがある可能性が示唆された。
著者
池水 智博 白浜 潤
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.16-23, 2017-03-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
8

犬のフィラリア症(Heartworm Disease , HWD)と診断した22頭を,クラス1の11頭,クラス2の5頭,クラス3の5頭およびクラス4の1頭の4群に分類し,ドキシサイクリンおよびイベルメクチンの経口投与およびメラルソミン1回注射併用による治療を試みた。その結果,最終観察日までの平均生存日数は504病日(22頭)であり,死亡率は22.7%(5頭/ 22頭:クラス1の1頭/ 11頭,クラス3の4頭/ 5頭)であった。最終観察日までの抗原の陰転化に要した平均日数は312病日であり,抗原の陰転化率は95%(陰転化頭数19頭/検査頭数20頭)であった。また,クラス3では,76日間の腹水の消失が1頭,685日間の腹水の消失が1頭,812日間の腹水の消失および失神の著明な改善が1頭で認められた。さらに,クラス4の1頭では,胸部X線検査所見の改善および臨床症状の著明な改善がみられた。今回の治療経験から,ドキシサイクリンおよびイベルメクチンの経口投与およびメラルソミン1回注射併用による犬のHWDの治療法は安全性が高く効果的な方法であると考えられた。