著者
山田 一孝 喜澤 香織 丹羽 理恵 櫻井 達也 岸本 海織 清水 純一郎 室谷 直義 池水 智博 小嶋 靖
出版者
動物臨床医学研究所
雑誌
動物臨床医学 = Journal of Animal Clinical Research Foundation (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.129-132, 2007-12-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

腫瘍の犬3症例にハタケシメジ抽出物を投与し経過を観察した。肝腫瘍症例は投与開始から1カ月後に,直腸癌症例は9カ月後に死亡したが,脳腫瘍症例は23カ月経過した現在も生存している。ハタケシメジ抽出物の腫瘍に対する直接的な効果は不明であったが,3症例とも投与後に末梢血液中のリンパ球数が増加した。このことから,ハタケシメジ抽出物には犬の腫瘍症例の末梢リンパ球数を増加させる働きがある可能性が示唆された。
著者
伊藤 直之 村岡 登 金井 一享 中尾 るり子 堀 泰智 星 史雄 樋口 誠一
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 = Journal of Animal Clinical Research Foundation (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-23, 2008-03-20

一般家庭で飼育されている犬190頭および猫89頭から糞便を採取し,市販のELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)キットを用いてクリプトスポリジウム抗原を検出した。クリプトスポリジウム抗原は,犬では6.3%(12/190),猫では10.1%(9/89)の糞便から検出された。犬ではクリプトスポリジウム抗原の検出率は,糞便性状や年齢,性別,由来,生活環境のようなプロフィールと関連が認められなかった。同様に,猫においてもクリプトスポリジウム抗原検出とプロフィールとの間には,関連性が認められなかった。これらの成績から,一般家庭で飼育されている犬および猫において,クリプトスポリジウムの感染は,低率ではあるものの広く蔓延している可能性が示唆された。