著者
古屋 晃 池田 庸之助
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.38-44, 1960 (Released:2008-11-21)
参考文献数
12
被引用文献数
5 2

(1) 放線菌No. 62株の生産する溶解酵素の最適pHは7.6であり,熱に対して不安定な酵素であることが明らかとなった. (2) Sacchtaromyces cerevisiaeより細胞膜を機械的方法により分離し,溶解酵素により溶解されることを証明した. (3) 溶菌スペクトルを調べた結果,酵母及び糸状菌に属するかなり多くの菌株に対し溶解能を有すること及び細菌の一部をも溶解することが明らかとなった. (4) 酵素液かなり強いプロアーぜ活性を有し,酵素細胞膜はこのプロテアーゼとそれ以外の酵素との共同作用により溶解されると結論された. (5) Sacc. cerevisiaeのprotoplastが本酵素により容易に調製されることが明らかとなった.