著者
玉川 浩司 飯塚 崇史 池田 彰男 小池 肇 長沼 慶太 小宮山 美弘
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.521-527, 1999-08-15
被引用文献数
4

大麦糠由来のポリフェノール抽出物BPE及びそこから分離精製したプロアントシアニジン類(2量体及び3量体)について,幾つかの抗アレルギー活性測定法を用い,その効果を検討した.<BR>(1) BPEは,生体内における炎症に深く関与しているヒアルロニダーゼ活性を濃度依存的に抑制した.また,その主要ポリフェノール成分であるプロアントシアニジン類の抗ピアルロニダーゼ活性は,(-)-EGCG及(-)-ECGと比較して,小さかったが,(-)-EGC,(-)-EC及び(+)-Cよりは大きかった.<BR>(2) 大豆リポキシゲナーゼ活性についても濃度依存的に抑制し,また,その主要ポリフェノール成分であるプロアントシアニジン類の抗リポキシゲナーゼ活性は,カテキン類と比較して大きいことが判明した.<BR>(3) 感作ヒツジ赤血球における補体価の抑制はBPEの濃度に依存して大きくなった.また,その主要ポリフェノール成分であるプロアントシアニジン類の抗補体活性は,(-)-EGCG及(-)-ECGと同等あるいはそれ以上の効果を示した.