- 著者
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大山 吉幸
古河 俊哉
森 利枝
中村 匠吾
田熊 翔
池田 政輝
草ヶ谷 英樹
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学 (ISSN:02872137)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.2, pp.151-156, 2020
<p><b>背景.</b>有瘻性膿胸は内科的治療のみでは治癒が期待しがたく,手術も考慮されるが,年齢や合併症などにより手術が困難な症例もしばしば経験される.<b>症例.</b>85歳男性.右膿胸のために入院となり,胸腔ドレナージと抗菌薬治療を開始した.第5病日より気瘻が出現したため,CTを再検したところ右肺上葉に瘻孔が確認された.ドレナージを継続するも気瘻は持続した.高齢かつ全身状態不良で手術も困難であったことから,EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)により右上葉支を充填したところ,気瘻は減少した.しかしそれでも気瘻が持続していたため,感染制御後に自己血癒着を追加したところ気瘻は消失した.<b>結語.</b>本症例のように手術が困難な有瘻性膿胸の症例において,EWSと自己血癒着の併用は有用である可能性があり,文献的考察を加えて報告する.</p>