著者
吉川 研一 池田 由貴子 高山 朋子
出版者
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学
雑誌
松山東雲短期大学研究論集 (ISSN:03898768)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.69-76, 2007-12

松山市において長い間若者のファッションに大きな貢献をしてきたラフォーレ原宿松山は耐震構造上の問題から2008年1月に閉館することが決まった。数多くの若者に最新流行のファッション商品を提供するとともに,ファッション情報の発信の場として機能してきたラフォーレ原宿松山の閉館は,若者ファッションのレベル低下をもたらすだけでなく,松山市のアパレル業界や商店街に与える経済的な負の影響は大きな問題である。をこで著者等はこのラフォーレ原宿松山の閉館が若者のファッション分野における消費動向に与える影響を明らかにする目的で一連の研究を行っている。前報1)ではラフォーレ原宿松山の主要な購買層の1つと考えられる女子大生を対象に、現在のラフォーレ原宿松山の利用状況,閉館の影響,存続への希望,跡地の活用に関する要望,webサイトのショップ利用状況などについて検討した。その結果,ラフォーレ原宿松山に行く頻度はそれほど高くなく,その原因として価格の高さと女子大生のファッション志向性の多様化への対応が不十分であることが考えられた。ラフォーレ原宿松山の閉館に関してはそれほど影響がないと考えているが,できればラフォーレ原宿松山の存続を希望し,閉館・撤退した場合には跡地に新しいファッションビルの建設を希望していることが明らかとなった。現在増加傾向にあるといわれているネット販売や通信販売の利用状況はそれほど高くないが,現在の利用者では閉館により増加する可能性が認められた。そこで本報は,ラフォーレ原宿松山のもう1つの主な購買層と考えられる高校生を対象に前報と同様な検討を行った。