著者
池竹 英人 山田 明文
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1123-1127, 1999-12-05
参考文献数
7
被引用文献数
5 10

フローインジェクション分析用の固体電極セルを試作し, 残留塩素を電気化学的に測定する方法の検討を行った. 固体電極セルは, 交換可能な作用極, 対極 (白金線) 及び参照極 (飽和カロメル電極) からなるものを作製した. セルの評価はヘキサシアノ鉄(II) 酸カリウムで行った. 作用極に金電極を用いたとき, ヘキサシアノ鉄(II) 酸カリウム2×10^<-7>〜2×10^<-4>Mで検量線が直線となり, 各濃度での相対標準偏差 (n=10) はいずれも 1%以下であった. 次亜塩素酸の電気化学的挙動は, サイクリックポルタンメトリーで測定した. 種々の固体電極の中で金電極が最も単純な波を示し, 作用極として適当であった. フローインジェクション分析における次亜塩素酸の検量線は, 0.05〜2.5 mg l^<-1>で直線性を示し, 1mg l^<-1>での相対標準偏差 (n=10) は2.1%であった. 本法を水道水中の残留塩素の定量に適用したところ, オルトトリジン吸光光度法と良い一致を示した.