著者
池谷 太一
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.378-386, 2010-09-20 (Released:2010-12-20)
参考文献数
17

木材は長年使われ続けてきた優れた材料の一つである。強度バランスが良い,人に優しい,再生産可能な資源等さまざまな見方ができる。ここでは天然材料であり個性に富んだ美しい木目を意匠素材として活かす塗装方法について述べる。木材組織の不均一性,変化が美しい杢になること,多孔質,含水率変化による木材の変形が平滑性に与える影響,限りある木材を化粧単板にして有効活用することなどに触れる。木目を活かした家具塗装例としてオイルフィニッシュ塗装,ウレタンクローズドポア塗装,ラッカーアンティーク塗装を簡単に説明する。その後,透明で木目がよく見える木地塗りポリエステル鏡面研磨仕上げについて自動車内装部品を例に工程順に述べる。基材構成,染料および顔料着色剤,不飽和ポリエステル樹脂塗料の特徴,ペーパー研磨,バフ研磨の摩擦熱の影響など図を交えて解説した。