著者
沖塩 静正 日野原 三郎
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, 1983-12-15

工事場所は, 平均勾配約20度の山岳傾斜地でエスカレーターの設置, 大理石等の内装を施し, 途中には直径約25m, 天井高さ約10mの円形ドーム状のホールをもった, ボックスカルバート型式のゴージャスな地下通路を築造する工事であった。地形は多数の火山活動によって造られた地形であり, 標準的な土層断面については表で示してある。構造物の設計については基本形態, 構造物の継手, 傾斜構造物の安定計算, 傾斜したボックスカルバートの計算, 埋戻し土砂の安定などの基本事項について図や表を用いて詳しく説明している。施工においては傾斜面をもった作業面で, 傾斜角度をもった構造物を築造するためかなりの苦労があったらしい。そしてまず, 資材の搬出入, 掘削土の運搬についてふれ, 仮設工事について, 斜面の掘削および土砂処理, 斜面上でのコンクリート打設について, そして当現場で開発した自走式運搬車を用いた場内資材運搬などについて写真を用して説明している。