著者
沖田 ちづる
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.49-54, 2005

本研究では、福井県嶺北地方の九頭竜川流域を研究対象として、官民協働による流域環境保全活動のあり方について考えていくことを目的とする。九頭竜川流域全体を視野に入れた、住民主導の保全活動であるNPO法人ドラゴンリバー交流会では、これまで自然環境保全を中心としてきたが、2004年7月、実際に福井豪雨の影響を受けたことによって、官民で水害対策を見直す動きが強まるようになってきた。なお、九頭竜川流域では足羽川ダム建設問題について賛否両論が繰り返されてきたが、福井豪雨後は足羽川ダム建設を推進する方向に向かっている。今後の課題としては、当交流会などの官民協働の場を活かし、流域内での多様化した問題について、行政と地域住民との徹底した話し合いにより、地域に対応した検討が必要である。