著者
河原 吉秀
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.88-99, 2020

<p>近年、わが国の多くの鉄道事業者において、大型の台風等が接近・上陸し、長時間にわたっての駅間停車や途中駅での運転取り止めが発生する可能性がある場合に、乗客の安全確保等の観点から、広範囲にわたる路線において、全ての列車を運休することを前広に計画し、情報提供した上で運休する「計画運休」が実施されている。本稿では、鉄道における降雨・強風災害への防災・減災対策の概要を述べた後、近年、新たな防災・減災対策として急速な広がりをみせている「計画運休」について、その経緯、意義、実施に当たってのポイント等を、国土交通省鉄道局で取りまとめた「鉄道の計画運休の実施についての取りまとめ」に沿って述べる。</p>