- 著者
-
河口 真理子
- 出版者
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
- 雑誌
- 廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.4, pp.275-285, 2017-07-31 (Released:2019-08-29)
- 参考文献数
- 21
社会の持続可能性を高めるためには,企業のサプライチェーンを通じた環境社会配慮が不可欠だが,そのためには消費者と投資家からの働きかかけが必要である。エシカル消費が拡大すれば企業はエシカル商品開発に努力するし,ESG 投資の一環でサステナブルなサプライチェーンを投資家が評価するようになれば,企業は経営戦略の一環として取り組む。エシカル消費,ESG 投資いずれも日本での普及度は低いものの,最近いずれも注目度が上がっている。エシカル消費という言葉は知らなくても,環境や社会に配慮した買い物に賛同する消費者は 6 割以上にのぼる。ESG 投資は日本版スチュワードシップ・コード (SSC) とコーポレート・ガバナンスコード (CGC) 導入により,2014 年から 2016 年にかけて 7 倍以上に急拡大。しかし世界シェアでは 2%にすぎない。ESG 投資は倫理感ではなく運用パフォーマンス向上につながるとされ年金基金等,長期投資家の関心が高いことから今後も拡大が期待される。