著者
河合 清治
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.38-41, 1996-10-31

学寮の性格や機能は寮生気質と同じように時代と共に変わってきている.高専の学生そのものが少子化や高学歴化社会,豊かな文化生活の傾向を受けて質的に問題を多くし,気質もその安易さから日常生活の無秩序,無関心の影を長く落としている.従って,寮生の生活指導も学寮の特質としての教育寮,全寮制という一枚岩から漸次多様化を示し始め,自治寮的,任意寮的になってきていることをふまえ,時代にあった方法をとらなければならない.また,女子寮生や留学生の増加によって雰囲気を軟化しながら,別に新たな人間関係の問題を引き起こしている.この中にあって,寮監の指導の視点をできるだけ集団から個へ(個室の設置等),全学年から学年別へ(高学年の扱いの弾力化等),耐乏生活から豊かな電化生活(テレビ,電話の取りつけなど)を引き出しながら,聞かれた明るい環境づくりにあると考えたい.