著者
河村 吉紀
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.70, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
19

【要旨】ヒトヘルペスウイルス 6B(HHV-6B)は乳幼児期に好発する熱性発疹症である突発性発疹の原因病原体である。本症は熱性けいれんや急性脳症といった中枢神経系合併症の合併頻度がほかの熱性疾患にくらべて高い。脳炎、脳症に加え、近年 HHV-6B の関与が示唆されている中枢神経疾患として内側側頭葉てんかん(MTLE)がある MTLE の主要な病理所見である内側側頭葉硬化症(MTS)の発症には、小児期のけいれん重積や複雑型熱性けいれんとの関連が示唆されている。本稿では、MTLE 発症における HHV-6B の関与について最新の知見を交え概説する。