著者
河村 文一 並木 博
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.238-242, 1958-04-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
6
被引用文献数
5 4

塩化第一錫を還元剤として使用するモリブデン青法による燐酸根の定量法を検討した.硫酸およびモリブデン酸アンモニウムの濃度の如何は発色にいちじるしい影響をあたえることを認めたので,このことについてはとくに詳細に検討し,両者の濃度変化と発色の関係を図示して発色の領域を定め,これにより定量に最も適する濃度は,硫酸が0.65N,モリブデン酸アンモニウムが0.15%であることを確めた.また,反応温度は45℃以下で行うべきであり,25℃附近における誤差は1℃につき約1%であることを知った.なお,塩化第一錫溶液の添加量の若干の変化は発色の強さに影響しないことを認めた.